八佾第三 041

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原文                 作成日 2003年(平成15年)7月から 10月
孔子謂季氏、八舞於庭。是可忍也、孰不可忍也。
 
〔 読み下し 〕
孔子(こうし)()()()う、八佾(はちいつ)(にわ)()わしむ。(これ)をも(しの)()くんば、(いず)れをか(しの)ぶべからざらんや。
 
〔 通釈 〕
孔子が季孫氏を批評して云った、「季孫氏は家廟の祭礼で、天子のみが用いる八佾の舞楽を公然と自分の庭で舞わせた。大夫(家老)の身分では四佾で舞うべきところなのだが、天子の舞楽を舞わせるとは、僭越も甚だしい。このようなことが平気でまかり通るなら、どんな大それたことでもしでかしかねないだろう」と。
 
〔 解説 〕

序列からすれば孟孫一叔孫一季孫の順になりますが、末っ子の季孫が一番の勢力家だったようです。八佾とは、天子が行うことのできる舞楽のこと。佾とは隊列編成のことで、古来二つの説があります。

  一つは、一
八人編成として
     天子は八
・・・ ・・・8人×8列=64人
     諸侯(大名)は六
・・8人×6列=48人
     大夫(家老)は四
・・8人×4列=32人
     士(武士)はニ
・ ・・8人×2列=16人

  今一つは二乗則として
    天子は八
・・・・ ・・8人×8列=64人
    諸侯は六
・・・・ ・・6人×6列=36人
    大夫は四
・・・・ ・・4人×4列=16人
    士 はニ
・・・・ ・・2人×2列= 4人

ただ、佾という文字は人+八+月(からだ)から成っているところを見ますと、
文字通り前者に従った方が妥当なのではないかと思います。
   

〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)がおっしゃった、「季孫(きそん)さんが自宅(じたく)(にわ)王様(おうさま)だけに(ゆる)される八佾(はちいつ)(まい)()わせたそうな。季孫(きそん)さんは家老(かろう)だから四佾(しいつ)(まい)がきまりなのだが、うぬぼれが()ぎるな。平気(へいき)でルール違反(いはん)をやるようでは、この(さき)(おも)いやられるね」と。
  
〔 親御さんへ 〕
八佾の舞は現在でも台湾に残っておりまして、孔子の誕生を祝う「釈奠祭(せきてんさい)」(毎年9月)に孔子廟で舞われています。孔子は大夫でしたから、四佾(32人又は16人)で舞うのが決まりですが、何人で舞っていたかちょっと忘れましたので、どなたか台湾に行かれる機会がありましたら、調べて来て下さい。
 
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