子罕第九 228

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原文            作成日 2005年(平成17年)3月から6月
子曰、語之而不惰者、其也與。
 
〔 読み下し 〕
()(のたま)わく、(これ)()げて(おこた)らざる(もの)は、()(かい)なるか。
 
〔 通釈 〕
孔子云う、「私が教えたことを拳拳服膺(けんけんふくよう)して実践を怠らなかったのは、顔回くらいのものだったなあ」と。
 
〔 解説 〕

亡くなった顔回のことを想い出してぽつりと漏らしたのではないかと思います。何度も申しますように、孔子晩年には弟子の数三千人といわれておりますが、多くの門人は孔子学園を、仕官の為のエリート養成所と考えていたようです。孔子は実践を重んじた人ですから、頭でっかちで実行の伴わない若い門人達を見て、溜息まじりに漏らした言葉でしょう。
 

〔 子供論語  意訳 〕
孔子(こうし)(さま)がおっしゃった、「(わたし)(おし)えたことを、うまずたゆまず努力(どりょく)(つづ)けたのは、(がん)(かい)くらいのものだったなあ」と。
 
〔 親御さんへ 〕

人間の意識のレベルのことを「境地」と云います。境地とは、「持続する心境」つまり、「恒心(こうしん・ぐらつかない心)」のことであります。どんな心を保ち続けているか?によって、人間の器と云うか、人物の大きさが決まるようでありまして、これを一般に「人格」といって、個人の統一的で持続的な特性の総体、つまりその人の認識力(価値判断)や行動様式を決定づける土台(基盤)となるものですね。

この土台のレベルのことを、人それぞれの意識のレベルという訳ですが、人類は長いことこれを客観的かつ科学的に測定する検査方法を持たなかった。超能力者や易占家の専売特許と思われていた為、あまり信憑性を持たなかった。

ところが最近、客観的(誰がやっても同じ答え)かつ科学的(再現性)裏付けをもって、一人一人の意識レベルを測る検査方法を確立した人物がアメリカに現われた。それが今回必読書として挙げた「パワーかフォースか」の著者で医学博士のデヴィッド・ホーキンズという人です。

誰でも簡単にできる検査方法ですので、詳しく知りたい方はこの本を読んでから験して頂きたいと思いますが、これで測ると、顔回の意識レベルは600と出ました。600レベルと云えば、菩薩と如来の中間「梵天」の境地ということになりますが、ものすごく高い意識を持った人だったんですね。因みに孔子は、人類最高の意識レベル1000と出ました。

皆さんも是非読んで、ご自分の意識レベルを測ってみてはいかがでしょうか?思っていたよりも高いレベルが測定できるかも知れませんよ。これでやられると、学歴・肩書・名声の如何にかかわらず、人物そのものが丸裸にされてしまいますから、ありがたいような?ちょっと怖い
ような?気もします。史上最強の「人物鑑識法」ではないかと思います。
 

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