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原文
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季康子患盗、問於孔子。孔子對曰、苟子之不欲、雖賞之不竊。
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〔 読み下し 〕 |
季康子、盜を患えて、孔子に問う。孔子対えて曰わく、苟くも子にして不欲ならば、これを賞すと雖も竊まざらん。
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〔 通釈 〕 |
季康子が、窃盗事件が多発しているのを憂えて、対応策を孔子に相談した。孔子は、「あなた自身私利私欲を貧らなければ、たとえ懸賞付きで窃盗を奨励しても、誰も盗みをしなくなるでしょう」と答えた。
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〔 解説 〕 |
前の章と云いこの章といい、孔子は季康子に対しては相当辛辣な発言をしておりますが、編者は本篇で孔子と季康子の問答を三本並べて、季康子の性格を浮き彫りにしようとしたのではないか?次章では止めを刺すような問答を持って来て、「これで決まり!」と自負しているような気配が感じられます。
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〔 子供論語 意訳 〕 |
魯国の総理大臣・季康子が、盗賊が増えているのを心配して、どうしたら良いかを孔子様に相談した。孔子様は、「あなたが欲張りだから、国民もそれをまねて人のものまで欲しがるのではないですか?あなたが欲張ることをやめれば、人のものを盗む者ものなどいなくなります」と答えた。
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〔 親御さんへ 〕 |
季康子はどうも欲張りだったようですが、欲張りは自分が欲張りだと云うことに気付いておりませんから、気付かせるには遠回しな言い方ではなく、孔子のようにズバリと指摘してやらないとダメなのかも知れません。子供に欲張りはいけないことだと教えるには、「舌切り雀」や「花咲か爺さん」の話しをしてやったら良いのではないでしょうか。
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