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堯日わく、咨爾舜、天の暦数爾の躬に在り。允にその中を執れ。四海困窮せば、天禄永く終えん。舜も亦以て禹に命ず。
A
曰わく、予小子履、敢て玄牡を用いて、敢えて昭らかに皇皇たる后帝に告ぐ。罪有らば敢て赦さず。帝臣蔽さず。簡ぶこと帝の心に在り。朕が躬罪有らば、万方を以てすること無かれ。万方罪有らば、罪朕が躬に在らん。
B
周に大いなる賚有り。善人是れ富めり。周親有りと雖も、仁人に如かず。百姓過ち有らば、予一人に在らん。
C
権量を謹み、法度を審らかにし、廃官を修むれば、四方の政行なわれん。滅国を興し、絶世を継ぎ、逸民を挙ぐれば、天下の民心を帰せん。民に重んずる所は、食・喪・祭。寛なれば則ち衆を得、信なれば則ち民任じ、敏なれば則ち功有り、公なれば則ち説ぶ。 |
508 |
子張孔子に問うて曰わく、何如なれば斯れ以て政に従うべき。子日わく、五美を尊び四悪を屏くれば、斯れ以て政に従うべし。子張曰わく、何をか五美と謂う。子日わく、君子は恵して費やさず、労して怨みず、欲して貪らず、泰にして驕らず。威にして猛からず。子張曰わく、何をか恵して費さずと謂う。子日わく、民の利とする所に因りて之を利す。斯れ亦恵して費さざるにあらずや。其の労すべきを択びて之を労す。又誰をか怨みん。仁を欲して仁を得たり。又焉をか貪らん。君子は衆寡となく小大となく敢て慢ることなし。斯れ亦泰にして驕らざるにあらずや。君子は其の衣冠を正しくし、其の瞻視を尊くす。儼然として人望みて之を畏る。斯れ亦威にして猛からからざるにあらずや。子張曰わく、何をか四悪と謂う。子日わく、教えずして殺す。之を虐と謂う。戒めずして成るを視る。之を暴と謂う。令を慢くして期を致す。之を賊と謂う。之を猶しく人に与うるに、出納の吝なる。之を有司と謂う。 |
509 |
子日わく、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。 |